Wanton Book Review 1999-14

役に立たないブックレビュー

最終更新日 : 1999 年 04 月 18 日

タイトル : 服が掟だ !
    作者 : 石川 三千花
  発行所 : 株式会社 文芸春秋
  発行日 : 1997 年 12 月 10 日
      版 : 第三刷
    定価 : 1,524 円
    ISBN : 4-16-353460-1
    分類 : 910

☆

ファッションはわからないなぁ～
G パン、 T シャツ ... ポロシャツ ... あと冬ならダウン・ジャケット程度あれば十分って人間だしなぁ。
薬なら、キンカン、正露丸、タイガーバーム、喘息用エアゾルだけでいいし ... とりあえずは。 (^^;

内容は理解の範疇を越えているので省略ですが、エッセイとしてみても、ひとつひとつの文章としてはノリもあって軽くていいんだけど、章としてノリがまとまってないよね。
変にひとつの文章内でのジョークに拘らなくてもいいような気がするんだけどな。これが文章スタイルですって言われればそうなんですね ... としか言えないけど。

映画がからんだ話題はいいですね。ファッションの話はほとんど理解できないから唯一理解できそうな話題なだけですけどね。 (^^) しかし良く見て覚えているもんですねぇ。

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タイトル : ドメスティック・バイオレンス
    作者 : 日本 DV 防止・情報センター
  発行所 : 株式会社 かもがわ出版
  発行日 : 1999 年 03 月 15 日
      版 : 第一刷発行
    定価 : 571 円
    ISBN : 4-87699-441-2
    分類 : 360

☆

話題のドメスティック・バイオレンスよぉ～。日本風にいうと「犬も食わない夫婦喧嘩」ですねぇ～。アメリカにわたって結婚してドメスティック・バイオレンスの被害 (?) にあった加藤洋子女史の講演 (?) の内容が前半に書かれ、後半は日米の違いの一問一答なんて構成になっています。

日本の警察の民事不介入って日本の法律の中では数少ないすばらしい制度だと思っているんだけど、「日本の警察は市民の安全を守るサイドにたてていない現場に」あるそうです。 DV の面からだけの見解を言っていると、のきを貸して母屋をとられるぞぉ～。他の件でも警察権力に民事介入してほしいのかぁ～。今でも傷害までいったら民事じゃないだろぉ～。とんでもないぞぉ～。なんでもかんでもアメリカ並みじゃないんだぞぉ～。少なくとも夫婦喧嘩でショットガンで撃ち殺されたりする国じゃないんだもんね。

講演をおこなっている加藤洋子女史は、本人もドメスティック・バイオレンスの被害者であり、なおかつその次女にあたる方もドメスティック・バイオレンスの被害者でなおかつ殺されてしまったという派手な経歴の方です。
アメリカの実状って知らないけど、親子二代にわたってこういう現象に会ってしまうというのは、珍しくないのか ? 本人達の責任ってないのかなぁ ? 全部相手が悪いだけなのかなぁ。自己責任において配偶者を選択し被害に遭う ... 二代にわたって ... 反省点ってないの ? なんで途中から常識を超えたバイオレンスに発展していったのか ? なんにも語られていないけど ?

ドメスティック・バイオレンスを見て育った子は、それを見ることで歪んでいく傾向があるそうです。ははははは。人の国にミサイル打ち込むことを国是としているような国だもんね。それを見て育った国民は ... 反省もしないか。

「もし DM の被害にあったら ... 」なんて章が最後にあって、各機関の連絡先などが書かれていたり、資料としてアドバイス (?) みたいなものが書かれています。
資料はいいとして、アドバイスの中で、「たとえわずかでも自分のお金を」なんてのがあって、「弁護士に相談しようにもお金の都合がつけられないので ... たとえ 100 円 200 円でも自分のお金として残すこと ... 塵も積もれば山になります。」これって真面目に書いているの ?
アドバイスにすらなってないよね。

大丈夫か ? 日本 DV 防止・情報センター

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タイトル : 世界の教科書は日本をどう教えているか
    作者 : 別技 篤彦
  発行所 : 株式会社 白水社
  発行日 : 1992 年 05 月 15 日
      版 : 第二刷発行
    定価 : 2,136 円 ( 2,200 円 )
    ISBN : 4-560-04026-5
    分類 : 370

☆☆☆

他の国での教科書において日本はどのように表されているか ... って本です。だけじゃなくて社会科 ( 地理も歴史も含め ) は、どうあるべきかって本でもあります。
誤解や勘違いや時代錯誤があっておもしろいですね。まぁ、自分自身を考えても知らない国の方が多いもんなぁ。日本なんて小さな国を誤解していても当然は当然だよね。

ただ違いは、教育のしかたの違いで、教科書上の誤解なんて比重が小さくなってしまうんじゃないかな ? 日本型の暗記タイプだと、教科書に書いてある内容がそのまま正解で単純暗記なもんだから、そこから現在の情勢の変化の理解にはなんにも役に立たないもんね。

たとえ勘違いした教科書がスタートであっても、それから「なぜこの国は ... 」なんて議論を中心とする授業であれば、その考えるプロセスをベースに新聞などで報道される現在の状況の判断のもとになるし、知識を修正することも可能になりますもんね。
みずからを振り返っても、あの暗記ってなんかの役にはたってないよね。暗記するっていう訓練にはなっているけどね。
最後に社会科ってものに関する作者の意見を引用しておきます。

たとえば地理は山、川の名、都市名、産物の羅列ではなく、各地域での人々の現在の生き方を教えることであり、歴史は人名や年代の羅列ではなく、やはり各地域での人間の過去の生きざまを教えることである。そして過去の生き方が現在のそれにどうかかわり、変化してきたのかのプロセスをみせつことが需要なのであるが、それには地理と歴史を総合し、一体化した味方が不可欠となる。

考えるということを拒否したような社会科って何の役にたつんでしょうね ... あっ、受験かぁ。

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タイトル : おもしろくても理科
    作者 : 清水 義範 / 西原 理恵子
  発行所 : 株式会社 講談社
  発行日 : 1984 年 10 月 31 日
      版 : 第一刷発行
    定価 : 1,456 円 ( 1,500 円 )
    ISBN : 4-06-207236-X
    分類 : 910

☆☆☆☆

清水義範氏の西原理恵子女史と組んでの「おもしろくても ... 」シリーズのスタートの本ですね。結局発売順と逆に読んでしまった。 (^^)
この本の文章が一番歯切れがいいですね。それまでの「単位物語」なんかの作品に近い感じがします。きっと、この本が出版されてから ( 連載されてから ) 「言まわしが誤解をまねく」とか「詳しくは違う」とか「例外も存在する」なんて善意のバカ投書なんかが多かったのではないでしょうか ? きっとそう思う。
じゃないと、これの続編にあたる「もっとおもしろくても理科」や「どうころんでも社会科」の文章の歯切れの悪さとか言い訳がましい感じの辻褄が合うもんでね。カングリすぎでしょか ?

雑誌連載時のレイアウトって知りたいなぁ。どうも文章とイラストの位置が外れているような気がするんだけど。きっと連載時にはもっと文章にあった場所にあったんだろうな ... 想像だけど。

この本での目次を書いておきます。

慣性の法則
時間よ止まれ
理科の実験
xx が東京ドームだったら
海辺の生き物
脳プロブレム
油断大敵・痛ミシュラン
地球君の履歴書
人口の爆発はこわい
そしてどれもいなくなった

この中で「時間よ止まれ」の章で、作者がラジオに出演したときの話で、一緒に出演していた先端科学技術研究センターの村上陽一郎氏の話

「はて、それは本当に時間を戻したことになっているんでしょうか。だんだん若返っていくということは、時間の中で確かめられるわけですよねえ。つまり、現象は逆戻りしているのですけど、そういうことが起こる時間というのは、ちゃんと進んでいることになりませんか。」

って話は時間物 SF の根底を崩してしまうようでおもしろいですね。
「そしてどれもいなくなった」の章でのエコロジーに対する考え方ってのは、僕も近いものがあるので共感できるのですが、似非エコロ野郎の「自分にとっての地球を大切に」 ( Bold の部分が通常スポッと抜けているんですね。きっと似非エコロ野郎は脳みその中でも抜けているんでしょうね。) の例えとして

「ラン藻」葉緑素を持っていて光合成をして酸素という猛毒を出す。

なんていいですね。わかりやすくて ... でも、きっと似非エコロ野郎は理解できないだろうなぁ。

シリーズの中でもっともおもしろかったです。

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