役に立たないブックレビュー

最終更新日 : 1998 年 10 月 18 日
  
タイトル : 破滅 梅川昭美の 30 年
    作者 : 毎日新聞社会部編
  発行所 : 株式会社 幻冬舎
  発行日 : 平成 9 年 06 月 25 日
      版 : 初版
    定価 : 495 円
    ISBN : 4-87728-484-2
    分類 : 360
破滅 梅川昭美の 30 年

☆☆

この事件ってなんとなく覚えてますかぁ ? 僕は三菱銀行北畠支店に散弾銃で篭城し猟奇的な行動をとった事件って事ぐらいでしたが ... 射殺されてたんですね。忘れてました。
何を目的に行動していたんだろう ? でも、こういう衝動って誰でも内在させていそうで恐いですね。

大藪作品に影響を受け、映画「ソドムの 120 日」に影響を受け ... 映画は見てないけど本では僕も大藪作品や「ソドムの 120 日」も読んでますね。まだ僕はこういう事件起こしてないので、単に本や映画の影響って訳でもないでしょね。しかし、この手の話があると TV や本や映画が犯罪を誘発したなんでバカな事を言い出す短絡思考の人が出てくるのが困りものですよね。この手の人達の思考能力を疑いますけどね。

生い立ちが不幸である恵まれていない ... ってのは確かですが、この時代こういう境遇の人は少なくはないでしょうから、何が一線を超えさせたんでしょうね。この本だけからは読み取れません。環境で決るなら全国の銀行で一斉に強盗篭城事件が起きたりしてね。「全国一斉銀行強盗の日」なんてそこまでいくと、それはそれで面白いですけどね。同じ環境下で育った人達がマス・ヒステリア状態になると起きるかな ?
まぁ、いいかげんな精神分析屋さんみたいなコメントなら出せるけど意味ないし、単に思考停止に陥るだけですもんね。しかし TV なんかではこの手の思考停止型コメントってのが大手を振っているような気がしますけど。

解説が、「突破者」の宮崎学氏なんですね。これからこの手の本の解説はこの人の独壇場になるんじゃないでしょうかね。ははは。
ある意味で犯人側の立場から「計画自体が甘えている」 ... なんてコメントはあまり書ける人いないですもんね。

しかしこの文庫シリーズって「幻冬舎アウトロー文庫」っていうんですね。まぁ、なんと言うか ... でも、他のラインアップ見てもあんまりアウトローって気がしないんですけどね。定義はなんなんでしょ。

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タイトル : 一日江戸人
    作者 : 杉浦 日向子
  発行所 : 株式会社 小学館
  発行日 : 1998 年 10 月 01 日
      版 : 第 4 刷
    定価 : 552 円
    ISBN : 4-09-402361-5
    分類 : 210
一日江戸人

☆☆☆☆

江戸時代かぁ〜。江戸時代の庶民の風俗を中心に各章に分けて面白おかしく書かれている本です。
まぁ、実際に暮らしてみれば大変だったんだろうけど、自然の中の人間の存在という意味では一番マッチングしている時代だったのかもしれませんね。石川英輔氏の「大江戸エネルギー事情」なんて本を読んでもね。
どの章を読んでも基本的に人間自体はぜんぜん進歩してないですね。面白いもんだわ。庶民の好みなんて変わってないもんね、基本的に。どうもこの国が路線変更したのは明治からじゃないですか。それまでって結構いいかげんで自由ですんもんね。
いまで言う法律が 100 程度しかなくて、各自のモラルで動いていた大都市ですもんね。遊郭とかいろいろ批判のある人もいるだろうけど、個々の要求を満たして全体として街という巨大な生き物を運営する知恵でもありますよね。

この作者って NHK の「お江戸でござる」で解説している方なんですね。正式 (?) にはマンガ家なんでしょうか ?
この人のマンガ ( 「二つ枕」) を前に読んでいたんだけど、その本の著者近影って斜めから撮られていて、ず〜っと「お江戸でござる」を見ていても同じ人だと思ってなかったんです。女性は恐いわぁ〜。 (^^) この本の著者近影は正面からなので TV のイメージと同じですね。この方は斜めからの view の方が○○○ですよね。

この本でも書かれていますが、浮世絵ファンとしては「笑い絵」 ( 春画 ) が、正当に評価されてなくて研究されていないってのは、やだな。よく浮世絵の本なんかにも研究しても発表の場が無いし世間からキワモノのように思われてしまう ... なんて記述があったりしますが、 Internet は使わないのかな ? 発表する場としてはいいと思うんですけどね。一般的な評価はされないでしょうけど。 (^^;
浮世絵師も「笑い絵」のときは画号を別のにするんですね。フランスあたりでも昔文豪さん達がエロティック小説書くときは名前変えたりしてて、この本は誰だ違うなんて議論があったりしますし、変えたペンネームも洒落っ気がある名前を使ったりするのは共通してますよね。書く人も読む ( 見る ) 人も楽しんでいる様子が見られてうれしくなりますね。この手の文化はどこ行っちゃったの〜

  • 歌川廣重 → 好重 ( やっぱり好きだったんでしょうね。 )
  • 葛飾北斎 → 鉄棒ぬらぬら ( 幼名「鉄蔵」が変じたのかな。 )
  • 渓斎英泉 → 淫乱斎、女好軒
  • 歌川国芳 → ほどよし
  • 歌川国盛 → 淫水亭開好

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作成: 1998 年 10 月 18 日〜 Copyright (C) 1998 Katsauki Shimizu <katsuaki-s @_nifty.com> All rights reserved.

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