役に立たないブックレビュー

最終更新日 : 1998 年 08 月 30 日
  
タイトル : 突破者
    作者 : 宮崎 学
  発行所 : （株）南風社
  発行日 : 1996 年 10 月 20 日
      版 : 第 1 刷
    定価 : 1,748 円 ( 1,800 円 )
    ISBN : 4-931062-13-X
    分類 : エッセイ ( 新刊 )
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突破者

☆☆☆☆☆

サブタイトルが「戦後の陰を駆け続けた 50 年」です。まだ続けてるんですよね。 (^^;
「トッパ」ってのは京都弁なのかな ? この言い回しは知りませんでした。
しかし確かに戦後の混乱期〜 70 年安保〜バブルまでよくまぁ陰社会に関係し続けてこれたもんです。凄いバイタリーの持ち主ですねぇ。
事件など裏面からの話が書かれていますが、新聞の報道なんかよりはるかに説得力があるし話の辻褄があっていますもんね。

被差別・韓国・朝鮮などの社会的底辺層とやくざ ( 暴力団とか書かないよ ) 社会の実態、それにむらがる表社会のしくみなど ... 表と裏があるけど行動原理は基本的に一緒なのが確認できますね。

この本のせいだけではなく、暴力団ではないヤクザ ( 任侠とでもいうのかな ) の存在価値ってのはあると思いますね。戦後の混乱期の治安維持やら、報道しちゃいけなかったそうですが、阪神大震災での彼ら ( 菱の代紋でしたっけ ? ) のボランティア (?) や治安維持などね。 ( これは、たしかイギリスかなんかの通信社で配信されましたが、日本のマスコミは黙殺しましたよね。 NHK はともかくとして、これを黙殺してるようじゃ、民放のニュース番組のレベルもおして知るべしですね。 ) 安定してない社会においては、警察機構より信頼できますもんね。
破防法なみに拡大解釈可能な暴力団規制法が簡単に成立する世の中だもんなぁ。
表だけじゃ存在できないでしょ ? 光ある場所にかならず闇があるように。理解できないのか理解したくないのか、現在の利権だけ確保すりゃいいのかな ?

ラスベガスが安全な理由 ... 中途半端な悪さする人は本職によって駆逐されてしまうため ... って話がありますが、真実でしょうね。アメリカにおける犯罪率を見ると。確かに数年前ですが家族連れも普通に夜歩いていましたもんね。
この法律のおかげで派手な事件が増えて、盛り場なんか実際に危なくなってません ? 恐いこっちゃ。誇りもなにもない暴力ってのは。

サッカーくじなんて、文部省と学識経験者というボケより博徒にやりかたを教えてもらえばいいのにね。きっともっと面白くて収益性の高いものを創造してくれると思いますぜ。(^^) 現在のじゃ買う気しないもん。

しかしこの本にも書けないような話っていっぱいあるんだろうなぁ。

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タイトル : 警察が狙撃された日
    作者 : 谷川 葉
  発行所 : （株）三一書房
  発行日 : 1998 年 02 月 15 日
      版 : 第 1 刷
    定価 : 1,500 円
    ISBN : 4-380-98214-9
    分類 : ノンフィクション ( 新刊 )
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警察が狙撃された日

☆☆☆

警察権力の最高峰である国松警察庁長官が狙撃された事件のルポタージュです。
狙撃というとゴルゴ 13 の M-16 のイメージですが、 20m の距離ということでコルト・パイソン 357 マグナム拳銃でした。トカレフとかじゃなくて映画・マンガでおなじみの名銃が使用されたんですね。ワイルド 7 の親分の愛用銃でもありました。
しかし、パイソン 357 + ホローポイント弾で 4 発も打ち込まれても死なないもんなんですね。拳銃の威力ってそんなもんかな。映画や物語のイメージとちょっと違うな。

狙撃したのは、オウム真理教の信者であり警察官でもある小杉といわれています。
この事件での警察内の刑事部・公安部の争い・確執がどのように事件解決を混乱させたかよくわかりますね。噂の「チヨダ」も出てくるし、警察機構が良く分かってないし、登場人物が多いし職制が異動で変わし関連が混乱してしまいますわ。最近こんなのばっか。でも、本の冒頭に「本書に登場する警察主要幹部異動状況」という図があるのでこれを参照しながらどうにかこうにかこうにか ... たぶん。

第六章の「暴力の洞察」というところでオウム真理教の解析がおこなわれていますが、いままで読んだり聞いたりしたものより、確信を捉えているようでこれで狙撃の動機 (?) を納得させるだけのものがあります。
しかしなぁ、警察内部の確執も凄いし、さらっと書かれているけど、警察自体も微罪・別件逮捕の件や読売新聞社長・渡辺恒雄氏の「右翼がうるさいから」で適当な罪名で逮捕に走った話やら恐ろしい機関だなぁ。オウム真理教の事件のときはこれらに触れたマスコミってなかったもんなぁ。マスコミ煽動で微罪別件イケイケドンドンで一億総翼賛会になってたもんなぁ。困ったもんだ。微罪・別件に関して記事にしてたのは雑誌「噂の真相」くらいかな ?
オウム真理教で洗脳 ( イニシエーション ) の精神管理技術のネタ元になったと書かれている『拷問と医者』 ( ゴードン・トーマス著 朝日新聞社 ) は読んでみたいですね。さらっと引用されているけど、これも恐ろしい話みたいで ...

しかしこの作者の「われわれは ... 」って書き出しが多くてなんか違和感あるなぁ。「われわれ」って誰だぁ ?

ところで、警察庁長官ってあんな高級なマンションに住めるんですね。

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作成: 1998 年 08 月 30 日〜 Copyright (C) 1998 Katsauki Shimizu <katsuaki-s @_nifty.com> All rights reserved.

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