役に立たないブックレビュー 2003-13

最終更新日 : 2003 年 08 月 09 日


 
タイトル 素晴らしき円谷英二の世界
サブ・タイトル 君はウルトラマン、ゴジラにどこで会ったか
作者 「素晴らしき円谷英二の世界」編集委員会
発行所 株式会社中経出版
発行日 2001/07/09
初一刷
定価 \1,500
ISBN 4-8061-1499-5
分類 778
素晴らしき円谷英二の世界
☆☆☆
この監督の作品にはどっぷりつかってしまっている世代なので感慨深いものがあります。やはりゴジラを見た時のインパクトは凄かったもん。本多猪四郎監督との作風の組み合わせが良かったのだと思います。「グッドモーニング、ゴジラ 監督本多猪四郎と撮影所の時代」と合わせて読むとより円谷監督像とか特撮の流れが浮き上がってくるものと思います。田中友幸+本多猪四郎+円谷英二=最高!!
 
この本は、いろいろな人が語る「円谷英二」集となっています。
その言葉の中に円谷英二さんが浮き上がってくるありがちな仕組みですね。
円谷英二氏と同時代に活躍した人達、円谷英二氏の弟子にあたる人達、その他の人達といったような大きな分類になっています。
 
本名が「円谷英一」ってのは知りませんでした。「英一」ってどこかで聞いた記憶があるのですが、てっきり父親とか兄弟の名前かと思っていましたもん。
特撮の世界ではこの円谷英二氏、マンガの世界では手塚治虫氏の影響はその後に出た人々は少なからず影響を受けてしまうというジレンマがあるのではないでしょうか。
Rock'n Roll のでは、 Elvis の影響を拡大した Beatles というのがあるのですが、その後の Rock'n Roll ではどうしてもそれとの比較になってしまうというジレンマがあるのと同じですね。

  • 円谷さんは気さくな作家だった
    特撮監督 - 矢島信男
  • 円谷演出の隠し業
    特技監督 - 中野昭慶
  • 僕には優しい好々爺
    特技監督 - 川北紘一
  • オヤジさんと春坊の間柄
    俳優 - 中島春雄
  • 世界に誇る二大 " G 怪獣"
    監督 - 湯浅憲明
  • 円谷プロ設立までの道程
    光学合成 - 中野稔
  • "轟天号" 発進 !
    作家(元・東宝プロデューサー) - 田中文雄
  • 私が見た " 特撮の神様 "
    脚本家 - 上原正三
  • "ゴジラをつくった技術"
    監督 - 雨宮慶太
  • 「ゴジラ」と撮ってみたい !!
    特撮監督 - 佛田洋
  • 日本特撮界のパイオニア
    特撮監督・デジタルエフェクト - 尾上克郎
  • 先駆者の大いなる足跡
    特技監督 - 樋口真嗣
  • 偉大なる名作「ゴジラ」
    東宝映画プロデューサー - 富山省吾
  • ウルトラヒーローに栄光あれ !!
    俳優 - 京本政樹
  • "「ウルトラ Q 」が来た ! "
    マンガ家 - 唐沢なをき
  • 子供に向けた優しき目
    マンガ家 - 西川伸司
  • 円谷英二になりたかった !!
    タレント - ラサール石井
  • 飛行機映画にこだわりを持った人
    マンガ家・スーツアクター - 破李拳竜
  • 親父が勧めてくれたゴジラ
    イラストレーター - 開田裕治
  • わが青春の円谷英二
    作家・評論家 - 唐沢俊一

 
 
[ ▽ ] [ △ ] [ 目次へ ]

 
タイトル レトリックと認識
作者 野内良三
発行所 日本放送出版協会
発行日 2000/08/20
初一刷
定価 \920
ISBN 4-14-001894-1
分類 801
レトリックと認識
☆☆☆
レトリックとは、講談社「日本語大事典」によると
(1)言葉・文章の効果を高めるための技術。修辞学。
(2)口先だけのたくみなことば。美辞麗句。
のことですが、どちらかというと (2) のイメージが強く (1) でも悪いほうへ効果を高めるイメージを持っていたのですが、どうも思い違いのようですね。そういった用法をいっぱい見てしまっているからかもしれませんが。
この本の「はじめに」でも、レトリックという言葉でどういうイメージを持つかということが取り上げられています。レトリックという言葉じたいがかなり多義的な使われ方をしており、その多義性はレトリックの歴史を反映しているとここで、ここからこの本は始まっていきます。
 
レトリックという技法の本ではなく、それが人間の認識に深く関わるものであることが明らかにされていく深い内容の本で理解しながら読もうとするとオーバーフローしそうです。
「情報の選別」の原理に従うシネクドキ(提喩)、「情報の統合化」の原理に従うメトニミー(換喩)、類似性を見出して「見立て」をするメタファー(暗喩)という 3 つのレトリックについて、事例を元に原理を探り、その過程で、人間の認識についての考察になっていきます。ふう〜っ。
 
トピックス的に南方熊楠氏の「縁」の話しなども出てきます。やはりこの人はただもんではないね。
 
「 VII. 恋愛のレトリック」という章で歌の歌詞をもとに解説していくのですが、その中で簡単な分類がありました。これはわかりやすいね。
  • 「おまえが好きだ」 - ストレート表現
  • 「おまえを嫌いなわけじゃない」 - 緩叙法
  • 「おまえを死ぬほど愛している」 - 誇張法
  • 「おまえを心から愛している」 - 冗語法
  • 「きみは僕の太陽だ」 - メタファー
  • 「きみといつまでもいたい」 - メトニミー
  • 「おまえはなんて馬鹿な女だ」 - 反語法
こうなるとわかりやすいですね。(^^)

 
 
[ ▽ ] [ △ ] [ 目次へ ]

 
タイトル 噂の研究
作者 ハンス=ヨアヒム・ノイバウアー
訳者 西村正身
発行所 青土社
発行日 2000/01/15
初I刷
定価 \2,800
ISBN 4-7917-5780-7
分類 361
噂の研究
☆☆
" 噂 " を文化としてとらえ文化史としてその変遷を解説していきます。
ギリシャ時代から始まり現代まで、 " 噂 " というのはどう捉えられていたのか、どういう事象があったのか、それから " 噂 " という現象をベースに人類史といえるようなまとめ方になったいます。
 
まじめに " 噂 " を考察しているのあまり面白くありません。 (^^;
 
媒体は変われど、 " 噂 " は、風に乗ってどこまでもすばやく飛び、飛んでいく間にも多くの眼と耳をもち " 噂 " は拡大し、ユングさんなどが言うところの「集合無意識」の具体的事象となっていくわけね。
 
人間って何にも進歩してないね。

 
 
[ ▽ ] [ △ ] [ 目次へ ]

 
タイトル 少年ブーム
サブ・タイトル 昭和レトロの流行もの
作者 串間努
発行所 株式会社晶文社
発行日 2003/02/05
初版
定価 \2,900
ISBN 4-7949-6561-3
分類 361
少年ブーム
☆☆
昭和 ... おもに戦後になりますが子供達の間で流行った ( ブームになった ) ものを取り上げていきます。単にブームについて記すのではなく、その背景/世相などから解説されています。
 
そ〜だったのかぁ ... というのもがかなりありますが、それだけ。
  • ヒーローブームの系譜
    • プロ野球ゲーム
    • 時代劇
    • 相撲
    • プロレス
    • ガンと西部劇
    • 戦記もの
    • 忍者
    • 怪獣
    • スパイ
    • 宇宙 SF
    • 変身ブーム
  • 文化・ホビーのブーム
    • 熱帯魚
    • 妖怪・怪奇・ミステリー
    • スポ根
    • 昆虫
    • ボウリング
    • SL
    • スマイルマーク
    • 幸福切符
    • オカルト
    • BCL ラジオ
    • レース鳩
    • インベーダーゲーム
    • 釣り
    • なめねこ
  • 子どもたち「集める」ブーム
    • キャラメルカード
    • カード蒐集
    • ワッペンとシールブーム
    • 切手ブーム
  • 子ども世界の車ブーム
    • スロットレーシング
    • ミニカー
    • フラッシャーつき自転車
    • スーパーカー
    • チョロ Q
    • ラジコンカー
    • ミニ四駆
  • ブーム玩具の変遷
    • 豆カメラ
    • ホッピング
    • フラフープ
    • プラモデル
    • ダッコちゃん
    • スーパーボール
    • ガチャガチャ
    • 水中モーター
    • アメリカンクラッカー
    • ローラースケート
    • オセロゲーム
    • ゲイラカイト
    • ジグソーパズル
    • モーラー
    • スライム
    • ルービックキューブ
    • 携帯できる電子ゲーム
    • キンケシ
    • ブーム玩具年表


 
 
[ ▽ ] [ △ ] [ 目次へ ]

[ 役に立たないブックレビュー ][ トップページ ]

作成: 2003 年 08 月 09 日〜 Copyright (C) 2003 Katsauki Shimizu <katsuaki-s @_nifty.com> All rights reserved.

access counter