Wanton Book Review 2002-07

役に立たないブックレビュー

最終更新日 : 2002 年 04 月 28 日

タイトル : 秘密屋 白
    作者 : 清涼院流水
  発行所 : 株式会社講談社
  発行日 : 2001 年 04 月 05 日
      版 : 第 1 刷
    定価 : 500 円
    ISBN : 4-06-182180-6
    分類 : 913.6

☆☆

「秘密屋」 2 冊のうちの「白」の方。 21 世紀の幕開け早々に携帯電話に掛かってきた間違い電話 (?) の相手は「秘密屋」を知っていた。 "ぼく" を「秘密屋」として勘違いしてるらしい。その相手から「秘密屋」の秘密を探り出そうとする "ぼく" 。

「秘密屋」さんと対峙するする章と主人公の"ぼく"が偽秘密屋となり対峙する原因となった事件が交互に構成されています。

「秘密屋」さんと対峙する方は「秘密屋」さんの一方的な語りだけとなっており、もう一方は"ぼく"とオッサンの会話と"ぼく"の内面描写という書き方になっています。"ぼく"の方も一方的な語りの方が面白く読めたのかもしれません。「赤」と同様に各章は 3 ページづつとなっているのですが、パターンが違いすぎるので読んでいくペースが乱されてしまいます。「赤」と同様なパターンを採用したためと思いますが、関西弁の短い言葉の投げかけとは合っていないように感じます。

「秘密屋」さんの語り口もやすっぽいヤクザ映画のチンピラみたいだし。小説としても仕掛けが浅い ( 無い ? ) かなという感じですね。
こっちを先に読まなくてよかった ... なぁ。

章の数は「赤」と同じ。「黄泉」に行くのか「読み」に行くのか。

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タイトル : 秘密屋 赤
    作者 : 清涼院流水
  発行所 : 株式会社講談社
  発行日 : 2001 年 04 月 05 日
      版 : 第 1 刷
    定価 : 500 円
    ISBN : 4-06-182179-2
    分類 : 913.6

☆☆☆☆

「秘密屋赤」と「秘密屋白」と同時発売された片方になります。両方同時に購入し偶然「赤」から読んだのですが、偶然順番的に当たっていました。まぁ、タイトルは同じですが、内容的にまったく違ったもので、単に時系列的に「赤」の方が先という構成になっています。

「都市伝説」のどれとも関連を持つ謎の言葉「秘密屋」を追い求めていくった先に辿り着くのは ...

「都市伝説」に係る証言の章と、狂言回しの役になる"ぼく"が語る章とが交互に進行していきます。各章とも 3 ページづつとテンポよく進んでいきます。この構成は文句無く面白く読める。
各章が 21 章づつであわせて 42 章。 42 章だと「死に」「死人」になるので、あとがきを 1 章加え 43 章なんだって。あとがきより。 43 章って読もうと思えば「黄泉」になるので、あとがきにあるように「安心してお読みいただけます」にはならないと思うが。物語が「死に」「死人」で「黄泉」に行ってしまえということか ... オイオイ

オチの「 Call Soon ! 」「 Cola ! Miniature ! 」がちょっと強引な気がしますが。ちょっと状況的にこの会話は辛いのではないでしょうか。 (^^; オチていない気がしますしね。もうちょっと適切な言葉は無かったのでしょうか。
まぁ、小説としてのオチではないので物語として問題ないのかもしれませんが、そこまでどんどん引き込まれて読んでいたのに、カクッとこけてしまいそうでした。

都市伝説を題材にこういう小説も書けるんだなぁ ... という見本。

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