- Side 1
- Four Wheel Drive
- She's A Devil
- Hey You
- Flat Broke Love
- Side 2
- She's Keepin' Time
- Quick Change Artist
- Lowland Fling
- Don't Let The Blues Get You Down
親しみやすさを併せ持ったアメリカン・ハード・ロックに徹しています。でも、アルバムジャケットを見ると BTO のマークの中にメイプルの葉を添えてカナディアンなんだよというアイデンティティをアピールしているのがわかります。
アルバムを開くと力強いステージの写真が見開きで印刷されています。う〜ん、木こり集団と呼ばれるのが十分理解できる重量級のステージのようです。
1 曲目のアルバム・タイトル・チューンの "Four Wheel Drive" からドライブしっぱなしです。バンド名の「オーバードライブ」の名乗りは伊達ではありません。ランディ・バックマンさんの好みなのか重すぎず心地よいオーバードライブ・サウンドになっています。アルバムは全米 5 位にチャートインして Gold アルバムになり、 "Hey You" がシングル・カットされ、全米 21 位となっています。チャートの動きからすると前作の「 Not Fragile 」やそこからシングル・カットされた "You Ain't Seen Nothing Yet" の方が上位になっています。
このアルバムの方が「やりたい」事を詰め込んだものになっているからかもしれません。シングル・ヒットした "Roll On Down the Highway" の方が "Four Wheel Drive" より軽やかだもんね。 "Four Wheel Drive" は、「そこのけ、そこのけ、 BTO が通る」のような力強さが前面に出ています。 4 人のメンバーが一体となって奏でているのがアレンジからも感じられます。これが彼らの「四輪駆動」なのでしょう。録音は前作の「 Not Fragile 」と同時におこなれた楽曲が多く含まれているそうです。ある意味で前作までで短期間にトップに踊り出て失速のきっかけとなったアルバムと言えるのかもしれません。デビューが 1973 年でこれが 1975 年の 3 年間で 5 枚のアルバムをリリースしています。レコード会社との契約なのかなぁ ... ツアーをしながらこのペースですから無理がありますよね。楽曲的に駄作ってのは無いんですけどね。難しいね。"She's A Devil""Lowland Fling" などシングル・ヒットとは趣の異なる秀作もありますしね。
面白いのが、右チャンネルのギターはランディ・バックマンさん、左チャンネルのギターがブレア・ソーントンさんとクレジットされています。オーバーダビングされて中央に来るギターは誰だろうと音色とフレーズから想像するのも楽しいですね。
ヘッドホンじゃなくて、オープンのスピーカーで鳴らして聴きましょう。両チャンネルからの力強いドライブ・サウンドが堪能できます。こういう音を鳴らすグループって今はいないよね。